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耐水と防水は違う|IP68の意味と限界を修理店が解説

耐水と防水は違う|IP規格の意味と限界を修理店が解説(八尾市・柏原市)

「IP68だからお風呂や海でも平気でしょ?」――この誤解が、水没トラブルの最も多い原因です。耐水は“うまく使えば水に強い設計”であって、どんな環境でも濡れてOKという意味ではありません。本記事では、現場で水没端末を数多くみてきた視点から、IP規格の読み方・実使用とのギャップ・壊さない運用・万一の初動を分かりやすく整理します。

 

IP◯◯の読み方(まずは基礎)

IPはInternational Protection(Ingress Protection)の略で、2桁の数字で「防塵(1桁目)/耐水(2桁目)」を表します。例:IP68なら“6=粉塵が入らないレベル”“8=一定条件下での耐水性能”。

耐水の数値は大きいほど上位ですが、試験は真水・静止水・常温・規定時間など“実験室条件”。お風呂の高温多湿・海水の塩分・プールの塩素・シャワーの水圧・炭酸や洗剤試験条件外で、同じ“水”でもリスクはまったく別物です。

 

経年劣化という落とし穴

出荷直後の耐水性能は、落下・圧迫・曲げ・高温などのストレスで徐々に低下します。筐体のわずかな歪み、マイクやスピーカーのメッシュ、ボタンやSIMトレイのパッキンは消耗品。新品時は問題なくても、1~2年後に同じ使い方をすると浸水する――現場では珍しくありません。

 

現場で起きる「IP表示」と実使用のギャップ

 

お風呂:高温多湿とスチームは耐水の天敵

湯気は粒が細かく、温度差で内部結露を起こしやすい環境。防水ケースでも長風呂・サウナ状態は厳禁。スピーカーのこもり・マイク不良・画面タッチ暴走は“結露サイン”です。

 

海:塩分と砂、乾燥後の塩結晶が厄介

海水は腐食スピードが段違い。乾いた後に残る塩の結晶が、コネクタやボタン接点の接触不良を招きます。洗って乾かせばOKではなく、分解洗浄が必要なケースが多い領域です。

 

プール:塩素・水圧・衝撃が複合的に

飛び込みやシャワーの打水圧は、静止水の試験条件を超えやすい要素。長時間の浸水や連続的な水圧はパッキンの隙間から侵入を招きます。

 

生活防水のつもりが…雨+充電でショート

濡れたままの充電・アクセ接続は最悪の組み合わせ。端子部の水分がショートや腐食の引き金に。完全乾燥→目視確認→数時間放置してから接続が原則です。

 

壊さないための運用術(今日からできる)

 

濡れたら「通電しない・振らない・温風を当てない」

電源ON/充電はNG。振ると内部に水を広げます。ドライヤーの温風は部材変形や水蒸気の移動を促進。まずは電源OFF→SIMトレイを外す→外装の水分を当て布で吸い取るが基本です。

 

水際対策:ケースとコーティングの併用

耐衝撃ケースで落下時の割れを避けつつ、画面・背面・カメラ台座にはガラスコーティングで日常の擦り傷・皮脂汚れを軽減。レンズカバーのケース干渉が気になる人は、カメラ周りのみコーティングがスマートです。

 

定期クリーニングで“劣化サイン”を先取り

スピーカーのこもり、マイクの感度低下、充電口の接触不良は水分・埃・腐食のサイン。店頭の接点クリーニングや点検を定期利用すると、故障前に手当てしやすくなります。

 

高温多湿・圧力・化学成分を避ける

お風呂・サウナ・夏の車内・炭酸飲料・洗剤・香水などは避けるのが原則。バッグの詰め込み圧力も筐体歪み→耐水低下につながります。

 

万一濡れたら:初動フローと持ち込み目安

 

初動フロー(保存版)

1)電源OFF・充電しない
2)ケース・アクセを外す/SIMトレイを抜く
3)外装を強くこすらず当て布で吸水(端子部は上向きで)
4)シェイク・温風・乾燥剤だけでの放置はNG
5)できるだけ早く分解洗浄できる店舗へ(時間勝負)

 

来店の目安と成功率の話

早ければ早いほど成功率は上がります。真水・短時間なら復旧見込みは比較的高く、海水やお風呂・長時間放置・通電済みは難易度が上がります。分解洗浄と乾燥、必要に応じてバッテリー交換や接点補修まで一気に進めるのが鍵です。

 

やりがちNG集(要注意)

・濡れたままの充電/車載充電器へ接続
・テープでポートを塞いで“様子見”
・アルコールや洗剤を直接吹き付ける清掃
・「IP68だから大丈夫」と水場で使い続ける

 

当店でできること(八尾市・柏原市から多数ご相談)

 

水没復旧(分解洗浄・乾燥・点検)

内部の水分・腐食を洗い流し、十分に乾燥させてから各部を点検。必要に応じてバッテリー・コネクタ・スピーカーなどの部品交換も実施。データは可能な限りそのままの方針で進めます。

 

接点クリーニング/予防メンテ

充電口・スピーカー・マイク周りの汚れ除去や接点清掃で、こもり音・接触不良の改善を狙います。耐水パッキン再圧着を伴う分解作業が必要な修理もご相談ください。

 

保護提案:コーティング+ケース運用

画面・背面・カメラ台座のガラスコーティングで日常傷と汚れを軽減。耐衝撃ケースやストラップ併用で“落とさない運用”を設計します。レンズカバーの干渉が気になる方はコーティングのみの選択肢も。

 

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